部下の考えを引き出したいのに、つい指示をしてしまう!指示型コミュニケーションを簡単に変えられる3つのポイント!
こんにちは、アドラー心理学コーチのたかです。
先日、製造業の会社で働いている40代の男性の課長さんがこんな悩みを教えてくれました。
「私は部下育成には本当に力を入れてきて、とても大切だと思っているんです。
一方的にこちらの意見を押し付けんるんじゃなくて、
部下の考えもちゃんと聞いてあげるのが大切だと思っています。
でも、部下が何かミスをしてしまったときに原因を聞こうと思って、
『なんでこうなってしまったの?』と聞いても、答えずに黙ってしまう子がいるんです。
結局、どれだけ待ってても答えが返ってこなくて、私の方から次のやり方の指示をすると、
部下からは『はい、わかりました』とテンションの低い返事が返ってきて終わってしまいます。
本当は、もっと部下の考えも聞きながら、前向きに取り組んでもらえるように関わってあげたいのに。」
私にもこれまでにこんな経験をしたことがありますが、部下のことを大切に思っているからこそ、このような結果になってしまうのは辛いですよね。
みなさんがこの課長さんの立場だったら、どうしたら良いと思いますか?
今日は、アドラー心理学コーチングのテクニックを使って企業のリーダー研修でもお伝えしている、こんなシーンで部下からの反応が劇的に変わる3つのポイントをお伝えします。
簡単に『指示型』を変える3つのポイント!
①「原因」でなく「ゴール」に目を向ける
②「なんでも良いから言ってみる」が入り口
③「指示・アドバイス」は質問形
①「原因」でなく「ゴール」に目を向ける
さっきの課長さんの例にもあった『なんでこうなってしまったの?』は原因追求型の質問と言います。
あくまで聞いている上司の側は原因をしっかりと明確にするべきだと思って聞いているだけだとしても、聞かれている部下は『原因を追求されている→自分が責められている』と感じやすくなってしまいます。
もちろん、原因を明確にすることも大切なことですし、部下との信頼関係が築けていれば、このように聞いても部下がしっかりと答えてくれることもあります。
でももし、先ほどの例のように黙って答えられなくなってしまう場合は、聞き方をゴール(先)に向けて、『どうしたら次はやれると思う?』の質問に変えてあげることで、部下も自分が責められているという気持ちにならず、どうしたら良いかを考えやすくなります。
②「なんでも良いから言ってみる」が入り口
ただ、ゴール(先)に向けて、『どうしたら次はやれると思う?』と聞いても、それでも黙ってしまって答えられないこともあります。
これは、何が原因なのかというと、一つには部下の自信の無さが挙げられます。
「どうしたら次はやれるか?」の質問に対して、
「この答えで合っているのかな?」
「上司に違うって言われたらどうしよう。」
「もしかしたらこれかもしれないけど、間違っている気もする」
などとつい考えてしまって自信がなくて言えなくなってしまっているのです。
なので、上司はとりあえず「なんでも良いから言ってみてもらう」のスタンスで、
「間違っててもいいから、例えばどんなやり方がいいと思うか教えて?」
「例えばでいいから、何か挙げてみると?」
「何でも良いから、一つ出してみて?」
と『例えば』『何でも良いから』『間違っていても大丈夫だから』という言葉を使いながら聞いていくと、部下が格段に答えやすくなります。
もし仮に部下が間違った答えを言ったとしても、
「なるほど、君はそう考えたんだね!他にはどんな方法が良いだろう?」
と部下の言葉を否定せずに受け入れた上で、『他には?』という質問を使いながらさらにいくつも引き出していけば良いのです。
そして、部下が最終的に、正しい答えに辿り着いてもそうでなくても、
「◯◯君、いろいろ考えてくれてありがとう。一生懸命考えてくれたんだね。」
と伝えてあげるとさらにGoodです。
みなさんが部下の立場だったら、上司にこのように言われたらどう感じるでしょう?
このように『考えてくれた』ということに対して、感謝の言葉を伝えるようにすると、部下も自分の考えを口にすることに自信を持てるようになり、主体的に考える力が育ちます。
③「指示・アドバイス」は質問形
部下が一生懸命考えてくれても「次にどうしたら良いか」の改善策に辿り着かないこともあります。
そういう時は上司が指示・アドバイスをしてあげることも必要ですよね。
あなただったらどんな伝え方をしますか?
よくあるのが
「▲▲してください。」
「▲▲してもらえませんか?」
のような『指示型』の伝え方ですが、ここで一工夫加えて、
「私は▲▲してみるのが良いと思うんだけど、◯◯君はどう思う?」
のような相手の意見も聞く『質問型』の伝え方にするのがオススメです。
実際に口に出して言ってみてもらうととてもイメージしやすいと思いますが、『指示型』に比べて『質問型』で伝えてもらう方が、部下は自分の意見を尊重してくれているという感覚で受け入れることができます。
ほんのちょっとの工夫ですが、伝わり方の印象はものすごく変わります。
今回は、指示型コミュニケーションをすぐに変えられる3つのポイントについてお伝えしました。
①「原因」でなく「ゴール」に目を向ける
②「なんでも良いから言ってみる」が入り口
③「指示・アドバイス」は質問形
最初の課長さんの例もそうでしたが、指示型からこのようなコミュニケーションに変えていくことで、部下の主体性を引き出し、部下が自分で考えて行動していくことを応援してあげることができるようになります。
部下からしてみると、このような関わり方をしてくれる上司に対して、どのような印象を持つでしょう?
きっと『信頼できる』『私のことを応援してくれている』『頼りになる』と感じてくれるようになるのではないでしょうか。そんな風に関わってくれる上司がいたら、部下のモチベーションも上がりますよね。
このように相手の考えを上手に引き出し、モチベーションを高めながら部下を育成する方法を『コーチング型育成』と言います。
ぜひ、みなさんも、この『コーチング型育成』の3つのテクニックに実際にチャレンジしてみてください。
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